さりさり

イカとクジラのさりさりのレビュー・感想・評価

イカとクジラ(2005年製作の映画)
3.2
両親の離婚で、父と母、両方の家を行ったり来たりする羽目になってしまった兄弟。
双方平等で良い案かもしれないと思ったけれど、案の定、子供たちは心のバランスを崩してしまう。
微妙な家族関係を描いたヒューマンドラマ。

この両親、嫌な部分がチラチラと見えてくる。
ハッキリ言って性格悪い。
クセが強すぎるとでも言うべきか。
そしてそのクセの強さが、モロ子供たちに遺伝してる。
そのへんの表現がリアルで可笑しかった。

あんな頭デッカチの夫は、私も嫌だな。
でも妻の言動も、微妙に相手を傷つけてる。
4人が4人共、自身の悪い部分を、自身は全く気づいてない。
上手くいかないのは、いつも相手のせいだと思ってる。
相手を責めることしか出来ない。
冒頭の家族でのテニスシーンが、その全てを物語っている気がした。

ラストはどうなるんだろうと思いながら観てたけど、一瞬よく意味がわからなかった。
でもじっくり考えてみると「これはなかなか深いな」って。
後からジワる系。

人間関係は難しい。
夫婦は所詮他人だし。
でもこの映画の兄弟は仲が良くて良かった。
それだけが唯一の救いだったな。
さりさり

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