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愛の調べのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

愛の調べ(1947年製作の映画)
3.8
シューマンと妻クララの永遠の愛を「トロイメライ」の調べに乗せて描いた美しい愛の物語。史実に沿っているがシューマンの精神を来たした病が梅毒であることは避けられていた。国際的なピアニストであったクララが8人の子どもを育てながら家事と仕事(演奏)を両立し、シューマンの弟子のブラームスからシューマンの死後に求婚されても、シューマンの曲を奏でて広めることに一生を費やした。

美貌と卓越した才能でブラームスだけでなく、リストからも愛されていたクララ。キャサリン・ヘプバーンのキリリとした演技でクララの気品と夫シューマンへの献身的な愛が伝わってくる。

トロイメライのエピソードが悲しい。

音楽史に疎いので、ブラームスが家事も手伝うシューマン宅の住み込みの弟子だったことや、シューマンとリストが同時代人だったことも知らなかった。

シューマンとリストは友人関係で、ブラームスはリストとうまくいかなくてシューマン宅を紹介されていた。勝手に抱いたイメージだが、リストは快活、シューマンは落ち着きがあり、ブラームスは誠実というところだろうか。曲の印象に合わせたキャラなのかな。

この映画の音楽は名匠ルービンシュタインの演奏を使っている。なんと贅沢な作品だろう。ルービンシュタインの豊かで美しい音色をたっぷり聴けて満足。

キャサリン・ヘプバーンも猛練習して弾くシーンは本人の動きをそのまま使っている。
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