大見武士による同名漫画の実写映画化ということだが、そもそものルールがさっぱりわからなかった。漫画の映画化である以上、最低限の説明が必要だと思われるが、それすらせずに本編に突入するのだから、観客としては素直に戸惑うしかない。のちのち調べて理解したが、要は劣等感の塊である高校3年生の結城美菜実（田野優花）は、性欲が溢れてくる代わりに時間を停止できる能力を入手しているのだという。なるほど、時を止めるべき瞬間は学校生活においては際限なく起こり得るのだが、それを大林宜彦は『時をかける少女』で実践したし、あえて作品名を挙げることはしないが、近年のタイムリープものにおいても顧みられた。今作を観る観客の混乱はその辺りの前提条件のルールが明かされないまま、突如ゲームの内部が進行すするからである。ルールの説明は映像作品でもナレーションで可能だ。美菜実の太腿に表示されるゲージがつまりは時を止める能力と自身の性欲との緩衝のゲージであるならば、むしろ登場人物たちのメランコリーに全振りするよりもむしろ、このゲージ上の数字にアッパーに固執する方が訳のわからない映画は生まれたに違いない。

　真にカオスな空間であるテアトル新宿が2週間上映するわけだが、その価値には半信半疑である。そもそもソフト・フォーカスに固執する意味もさっぱりわからないし、映像にも取り立てて新鮮さがない。時間を止めるのであればもっと大それたことをやっても良いと思うが、映画は想像を越えない。ササヤキ（かれしちゃん）の登場場面こそ超現実で、もっと圧倒的なビジュアルで迫るべきだ。昨今のインティマシ―・コーディネイター問題もあり、このような作品ならあらかじめ製作側と俳優陣とで最低限の話し合いは不可欠なのだが、監督側と俳優側にもっと良い作品にするにはどうすれば良かったのか？の議論が決定的に欠けているように思えてならない。この作風でこの方法論であるならば、このくらいのレイティングで脱がなければ成立しないと作り手側が思うならば別の女優で行くべきだろう。女優さんにとっても脱ぐ・脱がないの領域はかなりデリケートな問題で、騙し打ちでのヌードはオリヴィア・ハッセーの『ロミオとジュリエット』のように係争に発展する可能性もある。製作側がもっと過激に行きたかったのはわかるし、撮影に入れば何とかなると監督が思ったかはどうかはわからぬが、出来上がった作品は随分、中途半端に終わった感はある。

プロットとヒロインは面白いんやが、脚本と演出が劇的にダメやったねぇ！やから決して高評価はできないが嫌いになれないし、遅い時間しかやってない中わざわざ観に行って良かった！

謎の女に時を止める能力を授けられた地味っ娘女子高生、ただこの能力使うと代償として性欲がムラムラ湧いてきて大変なんよぉ！って話

うむ、笑うせーるすまんとかに近い感じの、与えられた利益とその代償の狭間でアタフタなる系の話なんやが、時間を止める能力の代償が性欲っつ〜謎設定の愉快さ！一応その人にとって最も必要な能力の代償に最も不必要なものが枷として与えられるらしい、もうこの設定思いついた時点でかなり勝ちゲー思うんやが？

そしてマシンボーイ的にはヒロインの地味っ娘がメガネっ娘の時点で好評価せざるを得無い！ぺろぺろ、知らん女優さんやなぁ……思って観ていたが「13月の女の子」とか「リンキング･ラブ」とか観たなぁ、記憶にございません、でも本作ではとっても魅力的やったからもう覚えたよ！
うん、けして凄い美人とかでは無いんやが、迸る性欲シーンと陰気な地味っ娘シーンと覚醒狂気シーンの説得力が素晴らしく！どの顔も違和感なくひとつのキャラクターとして混在していて良かったのよ、特にマシンボーイ的にはキモい教師を能力を駆使し恫喝するシーンのメガネの奥の大きな瞳にドSが迸るんにはまぢキュンが止まらんくってぺろぺろしたぞぉ！
まぁ不粋な客なんかは、このストーリーで脱げない女優使うんじゃねぇよ！なんて間の抜けたこと言いそうなもんやが、マシンボーイ的にはドS女子は着衣の方が素敵！っつ〜信条があるからばね、むしろこの題材でピンク映画とかにならなくてホッとしたよねぇ

ただね、そんな愉快なプロットに素晴らしいヒロインを持ってしても、ポンコツに収まってしまったのは……さすが「青鬼」の監督！くぅ……「青鬼」も紛れもないポンコツながらマシンボーイは結構好っきなんよなぁ！マシンボーイと相性いいのか？
とにかく脚本も、1度テストでいい成績とっただけでイジメっ子と仲良くなりクラスの中心と化す地味っ娘の謎やったり、そもそもなんでこんな子が生徒会副会長に選ばれたんや？とか
まぁこれに関してはDio様にも同じことが言えるんやが、時を止めている間の仕事量半端ないって！問題やら、いくら時は止まっているとはいえあの雑さでは……とか
性欲が迸っているはずなのにギュって抱きしめられたら性欲おさまっていくんなんなん？逆効果やろ！あと自分の性欲おさまった後の男の子の性欲放置問題はマヂちょっと考えてあげてくれ！
まぁここまで言ったら細かいこともいろいろ言い出すと……その特殊能力をもたらす謎の女が最初にセーラー服に網タイツ着ていた時はギョッとしたんやが、あれなんやったんや？まぁ何にせよあのキャラはもう少し説得力ある女優さん使って欲しかったかもなぁ、上っ面過ぎてキーキャラクターとしての存在感がなかった
あとなぁ……男の子ももう少しこの事態に対して傾向を分析し対策を練ることは出来んかったかね？まぢ行き当たりばったりなことしてっから何度も同じ誤ちを繰り返すのよぉ

なんか観ている時はもっといろいろ思った気もするんやが……あの肩トントンホラー演出とかめちゃめちゃ良かったしやなぁ、やっぱりこの映画好っきゃ！ハードル下げて観るぶんにはオススメ！跡美しゅりちゃん主演映画？の「学校の図書館で見かけたおとなしそうな文系女子とホテルでセックスしたら、実はエスちゃんで逆に責められてしまった。」みたいな作品にキュンするマシンボーイのブラザー達にはめちゃオススメ！ぺろぺろ

劇場2025-15 DENKIKAN

人間の欲望には果てというものがないのか、、、
ゲーテの「ファウスト」だね。

悪魔？ササヤキとの契約により、時間を止める能力を得た結城美菜実。この能力を使うと、ただでさえ強かった性欲が高まり、内腿に刻まれた「性欲メーター」が上がる、、、
それをおさめるに幼馴染の鏑木信一との、最後の一線は越えない情事に耽ったり、自分でいたしたり、、、という設定。

この人間の憧れ的能力の凄さも、過去作品と同様、能力者が最初はすっげぇって感動しつつ小出ししていたものの、だんだんとエスカレートして周囲を巻き込み破滅の道を進んでいく、、、

なかなか面白いではありませんか。

まぁこういった悪魔との契約ってのは、先にも述べたファウスト然り、落語の「死神」然り、リッチ兄弟の「クリスピーノと代母」ほかグリム童話でもと、多数ある通り人間の欲望の歯止めが効かずついには破滅を迎える、、、という結末を迎えるのがお約束！

本作もご多分に漏れず美菜実の欲望、妬み、嫉み、憎しみは高まり続け、能力のオーバードーズで破滅を迎えるわけだが、
そこに救世主が！というところがポイント！なのだが、、、
そしてラストはオープンエンド的とも言える結末へと、、、

話自体はオーソドックスながらも見せ方が美しい。画面の写し込み方や、照明の加減、光や背景の色も計算してのものと拝察。力のある監督さんでしょうね。素晴らしいと思いました。


そしてなんといっても本作の見どころは、主人公・美菜実の存在とその演技！
美菜実は内気ながらも強い劣等感からの妬み嫉みの塊といった体で、主演の田野優花さんが、文字通り「体を張った」演技で熱演。
この方本当に綺麗な顔されているのに、妬んだり憎んだり、またいたしている時の野性の表情だったりが、絶妙なバランスの「醜さ」を見事に「醜く」表現している。ここは注目すべき点だと思う、、、、
って元AKBのアイドルさんだったんかぃ！
(^^)
これは凄かことです。ほんと体当たり演技。
今後も注目していきたいです。

情報が全く無い中で鑑賞したため新鮮に映りました。ファウスト風なだけに舞台でも映えるかとも思いましたが、あまりにいたしているので、やはり無理か、、、(^^)