矢吹

青春デンデケデケデケの矢吹のレビュー・感想・評価

青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)
3.9
年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」6

大林宣彦色の音楽映画。
高校生のバンド活動記録写真。

ある日、デンデケデケデケと、
エレクトリックリベレーション。
電気的啓示を受けた少年。
この男のバンドへの情熱と仲間と作り上げる生活は、もちろん、高校生らしく、
青春の叶わぬ恋の物語も描きつつ、
それを支える大人たちによる、青春の彩り。
大人の仕事らしい、密かな恋もあるけどね。

振り返りながら進んでいく語り口。
とんでもないカットはない。
夢や思い出の中に存在する時の、
まさしくな、リアルがあるのみ。

夏休みのアルバイト。初のギグ。キスの噂。
今日初めて会った子。東京に向かう電車。
デンデケデケデケがいろんな人に繋がっていく。
俺には全く持って、ほとんど、
彼らのような生活はなかったけれど、
彼らのような感情は幾つも思い出される。
ゆっくりとじっくりと語る3年間。
いつか思い出すための、あの時としての今。

君の未来はまだまだ明るい。
終身名誉バンドリーダーなんだから、
いつでも集まってやればいいさ。
俺の青春にも、楽器があっても良かったな。

ただあるだけの音楽にでも、びっくりするくらいの数の思い出は保存されているわけだし。

最初に紹介された、
ベンチャーズからのバンドの映像群の
おかげさまで、人間1人の音楽に、
終わりがないことを、確認してから始まる。

坊主の息子がすげえいい。
あんな友達いればよかったなと思う。
何言ってもくれても嬉しい説得力。
これでモテなくても良い言い訳ができたやないか。

基本、ロックンロールは最高にかっこいい映画なんすけど、やはり、終盤の、久石譲さんかな、と思わせる部分もたまらんっす。
人を惹きつける要素に、
果てしがないほど事欠かない映画だな。

海水浴なんて楽しめるうちに行きたかったよ
矢吹

矢吹