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風に立つ愛子さん
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『風に立つ愛子さん』に投稿された感想・評価

みや
4.0
今作は、避難所で出会った愛子さんの「生」を映画という形でこの世に残すことを目的とした、藤川監督の極々私的な作品であり、だからこそ、広く普遍性を持ち得た作品になったのだと思った。

<以下、内容に触れています>

この作品を観ている中で、肌で感じたのは、映像の中で愛子さんが語る言葉のすべてが、客観的な事実とは限らないということ。単純な思い違いもあるだろうし、カメラが自分を追ってくれていることへのサービス精神も少し垣間見える。でも、そこの部分こそがリアルだ。
彼女が、自分自身の生を、自分がこの世に生まれ体験してきた物事の意味を、全力で肯定しようとしているからこそ、そうした言葉の数々は生み出されるのだろうし、彼女の気持ちの中では、本当なんだろうと思う。

客観的事実という面から言うと、愛子さんが、学費の面倒までみようとしたという姪御さんは登場しない。避難所で、人一倍可愛がったゆきなさんも、20歳を過ぎているはずだが出てこない。孤独を抱えていたという彼女が、避難所で得た関係性のありがたさ、仮設住宅での長屋暮らしの温かさを口にしても、周囲の方々から語られる言葉や示される振る舞いは、必ずしもそれを肯定するものとは言えないニュアンスもにじむ。

けれど、客観的事実がどうであれ、大切なのは、愛子さん自身が「自分の人生をどう受け止めて納得し、“生”につなげているのか」なのだと思うし、今作はひたすらそれに寄り添っていた。

冒頭の留守電が、とにかく切ない。
4.0
3.11 で被災した独り身の女性の7年間を記録したドキュメンタリー映画。
藤川佳三 監督の前作『石卷市立湊小学校避難所』は未見。

被災時69歳だった愛子さんはお喋りな人。方言の混じる滑舌の良い大きな声と、実に独特で力のある言葉使い。それは育ってきた環境によるのだろう。

小学校の避難所(前作の舞台) 〜 仮設住宅 〜 復興住宅と住処を移す彼女と、その言葉を記録し続けるカメラ。

しかし余白も多い。ご近所との関係の変化とか、彼女の体調の変化とか、彼女の生い立ちとかはほとんど語られない。だから観ていてちょっともどかしく感じる。

監督はあえてそうしているのだろう。なんとなく想像がつくこともあって、観終わってから振り返ると、もどかしさが悲しみに変容する。共感性の強い人は、心の弱っている状態で観ない方が良いかも知れない。

余白のいくばくかはパンフレットのプロダクション・ノートで明かされる。監督の前作も観てみたくなった。
普段ドキュメンタリーを見ることはほぼないが、予告を見て絶対に見るべきだと思った。色んな感情が湧き出てきそうだなって思ったから覚悟して見た。昨日で東日本大震災から14年、この機会に見れて良かった。

冒頭の留守番電話の愛子さんの声が強烈に印象に残ってる。実際の音声ってなんであんなに魂がこもるんだろう、絶対演技では出せない心に訴えかけてくる力がある。
自分はあの時期、毎日毎日どのチャンネルをつけても流れてくる映像が本当に怖かった。人々の暮らしや命を奪った津波は悪でしかなかった。だから、津波に様をつける愛子さんは不謹慎なのかもしれないけど、災害によってやむを得ず形成された環境が愛子さんを孤独から救ったということはすごく伝わってきたし理解もできた。"津波で凍ってた心が溶けたから涙ばっか出る"って言ってたから、災害で傷心した以上に、それによって人との関わり合いを持てたことや人の温かさが、愛子さんにとって大きかったんだなと思う。
避難所→仮設住宅→復興住宅というように街が復興するにつれ徐々に住む場所がちゃんとしていく。その都度愛子さんは表面上では喜んではいたけど、それと同時にどんどん孤独に閉じ込められていってるように見えた。爽やかで清々しく生きてた避難所生活に戻りたいと言ってる愛子さんは、災害が起きる前まではどんな生活を送って、どんな風に人と関わり合っていたのだろうと気になった。
お茶目で明るくて少女がそのまま大人になったような愛子さん。うるさいくらいずーっと話してたけど、でも、ずっと愛に溢れてて、素敵なことを沢山言ってた。すごく自由奔放に見えるけど、愛子さんが発する言葉は、色んなこと感じ取って色んなことを考えてる繊細な人なんだなって伝わってくる言葉だった。
思い出なんかいらないって泣き叫んでたけど、それはどの思い出のことを指してたんだろう。フィクションの映画は、ちゃんとストーリーに沿った演技、演出があるけど、ドキュメンタリーはそうじゃないから急に愛子さんが泣いたりした時の感情がどんな感情なんだろうってわからなくてすごく考えた。でもそれの答え合わせが出来ずに自分の中で色々と考えられるところがドキュメンタリーの良いところだなと思った。

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