Kamiyo

グッドモーニング、ベトナムのKamiyoのレビュー・感想・評価

4.0
1987年 ”グッドモーニング・ベトナム”
監督 バリー・レヴィンソン

ルイ・アームストロングの歌が素敵
『この素晴らしき世界』を映像と共に視聴するだけでも
一見の価値あり。
退屈な日常に花とクソを添える道化師
ロビン・ウィリアムズ。
彼のおかげで笑顔になれた数知れずの人たち
国を越え世界中に笑顔を与える。
ほんとにありがとう。
彼の墓の前で感謝を伝えたい。

武器を持たない米軍放送のディスクジョッキーの目を通して描かれた“もう1つのべトナム戦争”

主人公は軍隊向けのラジオ放送のD Jとしてベトナムに
赴任してきたエイドリアン・クロンナウア(ロビン・ウィリアムズ)です。
クロンナウアは得意のマシンガン・トークでたちまち人気者になります。
ちなみに「グッ~ド・モ~~ニング・ベトナム!!」のフレーズを放つシーンはロビン・ウィリアムズの役者人生の中でも屈指の名シーンだと思います。

彼は仕事では軍隊内部の情報検閲に立ち向かい
僕が面白いと思うところ、直属の上司であるディカーソン軍曹(J・T・ウォルシュ)とホーク少尉(ブルーノウ・カービー)には睨まれ通し。
ツマラナイ少尉.軍曹がコミカルだった。
街中でトラックに乗っている沢山の兵士達の前で
クロンナウアがDJするのはいい雰囲気だった。

仕事から離れるとサイゴンの街
ふとしたきっかけで地元の英語学校で教師をすることにベトナム女性トリン(チンタラ・スカパタナ)
(地元の女性に一目惚れしたみたいです。)
トリン(チンタラ・スカパタナ)には兄ツアン(トゥング・タン・トラン)いる、兄妹たちと交流を深める

たくさんの友人ができ、その中の兄ツアンですが
彼は知ることになります・・・・。
クロンナウアとツアンの間にあったお互いの国に対する考え方の温度差、戦争の不条理さがよく分かります。
ツアンにしてみれば、自分の友人が自国の兵隊に肉親を殺されていたなんて…。

米軍の情報のよりツアンがベトコンだったことがわかる

クロナウア 「友情と信頼もあげたのに、おれの親友(ツアン)が敵だと教えられて・・・」
ツアン   「敵って何? 殺しに来たのはおまえらだ ”敵”はおまえらじゃないか」
ツアン   「ボクの母は死んだ 兄だって生きてれば29歳だよ・・・」
クロナウア 「この国を援助しにきたのに・・・」
「友情と信頼もあげたのに」・・・むなしく感じられたセリフです。
彼は理解し合えたという気持ちがただ一方的なものだったことを・・・最後に悟ります。

「WHAT A WONDERFUL WORLD」をバックに映し出される戦場の風景。
皮肉かとも思いましたが、サッチモ(ルイ・アームストロング)自身がベトナムへの慰問で歌った曲でもあるそうです。
ロビン・ウィリアムズの情感あふれる演技が素晴らしい。
(ラジオ放送のシーンは全てアドリブだそうです)

戦争に正義・不正義なんてありません。
他国に軍隊を派遣することが、派遣される国の人々にどう思われているかを考えさせてくれる作品。

『グッドモーニング・ベトナム』・・・ 私にとっての名作からはずせない作品です。
Kamiyo

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