なかなかキツい映画だった。
「ミッドナインティース」から希望の光を差し引いて、「トレインスポッティング」からポップさを取り除いたような印象を受けた。
とにかく退廃的で刹那的。
誰も未来なんて見ようとしてない子どもたちのコミュニティ。
めちゃくちゃ生々しくて、正直ぼくの思春期〜青春期とはかけ離れてたから、誰にも感情移入できなかった。まぁエロいことばっかり考えてたのは同じだけど…。
テリーはとにかく嫌いだなぁ。高校の頃同じクラスに居たら絶対嫌いだ。
キャスパーはなんだか嫌いになれないというか、むしろ好きだった。ラスト近くの行動を除いては。でも映画が彼の言葉で締まったのはとてもクールだったように感じた。
この信じられねぇような世界がリアルの人間もいるんだと、そう言われた気がする。
時折流れるむせ返るような轟音ギターの音楽がよかった。シューゲイザーみたいな幻想的な感じじゃなくて、USオルタナっぽいノイズ感。
映像がキマってるポイントがいくつかあって、特にキスの撮り方が印象的だった。
冒頭とラストのテリーのキスシーンと、中盤のプールでの女の子2人のキスシーン。ここの画の美しさだけで観る価値があった。
あとあと、クロエ・セヴェニーが若い!こないだ「ブロークンフラワーズ」観た時も若い!と思ったけど、初見が「デッド・ドント・ダイ」のぼくにとっては、ここまで美少女だったのがビックリ。