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レコード・オブ・パタノスター
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目次

『レコード・オブ・パタノスター』に投稿された感想・評価

van
4.0
フライヤーの雰囲気だけで、鑑賞決定。
これぞ『知らない映画』の、醍醐味だ!🤣

  ▽
  ▽

マックスは、レコード店で働く少女だ。
収集家の彼女は、激レア・アルバムを入手する。

伝説のヒッピー集団「パタノスター」だった。
後日、彼らから連絡があり、友人達と会いに行くが……

  ▽
  ▽

日本未公開作品として、
新文芸坐で二日間だけ特別上映。

こんな出会いがあるから、映画館通いはやめられない。

  ▽
  ▽

集団は白装束に身を固め、
花冠をあしらい、共同体で暮らす。

この感触は、ある作品を思い出す。
『ウィッカーマン』『ミッドサマー』だ。

本作が風変わりなのは、そんな共同体ホラーでありながら、
入口が土着的信仰ではないところだ。

60年代ヒッピーイズムの陶酔、
音楽と意識改革の気配だ。

サイケデリックなきらめきが人を集め、
コミューン的な共同体を作る。

だが、その解放はやがて歪む。
新しい自由が、別の支配に変わる。

そこに、チャールズ・マンソン的な恐怖もにじむ。
本作ならではの、共同体ホラーの入口があった。

  ▽
  ▽

入口が因習ではなく、
意識変革だったとしても。

密度が濃くなり極化すれば、
面白くも恐ろしいことに、行き着く地点は同じだ。

それはもちろん、血と狂気。

主人公マックスは、大のレコード収集家。

音楽集団の拠点に行けば、
激レアアルバムが手に入るのではないか。

一見、それはあまりに安易な思考だ。

だが収集癖を持つ者からすれば、
妥当な考えとして、妙に腑に落ちてしまう。

彼女は「クレクレタコラ」のTシャツを着て、
レコード収集にいそしむ、わかりやすい人物。

そして妙なあどけなさと、可愛らしさが同居する。
収集家ならではの、強欲ながめつさも乗ってくる。

この二律背反が、キャッチーでツボってしまう。

そんな主人公が、他人事ではなくなったとき。
私も同じ土俵に降り立ってしまうのである。

  ▽
  ▽

正直に言う。

入口こそ目新しいが、
中盤の展開はありきたりだ。

集団拠点に潜入して、痛い目にあう。
そこはさほど、面白いものはない。

だが物語のベタさよりも、
画面のイカれ具合がヤバすぎる。

集団は、主人公たちに幻覚剤のような粉をまぶして、
意識の剥奪と、恐怖への緩和を図っていく。

その際の、キラキラという効果音。
六角にきらめく結晶と光の反射。

この煌びやかさと、照明の色感が、
クセになるほど恍惚を煽る。

人物たちは痛みで苦悶の表情を見せるが、
さらに粉をかぶせて行く。

苦悶にゆがむ顔と、
快楽の恍惚にひたる陶酔の顔。

二つの表情が二重露光で、同時に像を成す。

RGBの光の三層が、それぞれにじみ出し、
色収差を思わせる情感を際立たせる。

餌食になる彼らの精神を、
次なるステージに飛翔させるように、
音の圧が、けたたましく増加してゆく──

  ▽
  ▽

流血の表現も、悪くない。

いや、物騒なことを言っている自覚はある。
だから言わせてもらえば、流血は最高に美しい。

溜まる血には、つやと厚みがあってしっかり重い。
噴出する血は、さらさらと軽く、方々へ散りゆく。

溜まる血と、飛ぶ血で、感触が違った。

血がただの赤い液体ではなく、
画面の温度そのものになっていた。

さらに切られた身体の厚みも、
肉々しく迫りくる。

終盤には、狂気とゴアと色彩と恍惚にまみれ、
一大セレモニーへと変貌していく。

このカオス状況に、さらにもうひと捻りあり、
まさかの「アレ」の登場に、大変に満足してしまった。

最後に、マックスの業突く張りが炸裂する。
恐怖の底でも、彼女はどこまでも収集家だった。

  ▽
  ▽

だんだん私は映画に、
強い理想を求めるようになっていた。

もちろん、それが悪いわけじゃない。

でもその一方で、映画を観始めたころの童心や、
無邪気で純粋な欲求が、眠りにつく感覚があった。

恐怖の底に叩き落とされてもなお、
執着を捨てない彼女の、狂気的なまでの純粋さ。
その姿を見て、眠っていた何かを掘り起こすことができた。

『恐怖を、ディグれ』

コピー通り、恐怖をディグった先に、
業と陶酔がぎらつく、掘り出しものの逸品だった。

■『レコード・オブ・パタノスター』 予告
 https://youtu.be/R1yKx3Xyj0s?si=7bFnY9SnMmxv37OH


2026.06.06.新文芸坐
3.8
ゴアフェスVol.666にて字幕鑑賞。4/4

レコードオタクのマックスはヒッピーカルト「パタノスターと光の使命」がリリースした超レアなレコードを常連さんから入手
更にそのレアなレコードを販売してる店まで知り、格安でGETするが、消息を絶ったはずのヒッピーカルトからマックスへコンタクトがあり、彼等の居る場所へ連れていかれるが…

ゴアフェスのトリを飾るサイケデリック・カルトホラー

マックスの部屋の棚にはずらーっと並んだレコードの数々
圧倒的なまでのフィジカル主義

そんなディグる楽しさを極めたオタク達の身に降り掛かる悪夢…

『ミッドサマー』より規模感は小さくゴア度は控えめながらも、その分血がドピュドピュドバドバ出血し、ヒッピー達が血塗れになるダークな映像とサイケデリックなトリップ映像は素晴らしい出来!

終盤にいくに連れて地獄絵図と化すパワーがとても良い

マックスが着用しているクレクレタコラTシャツには笑ってしまった

そしてチャーミングでナイスな主人公マックスを演じたアダラ・スターはとても魅力的やった
4.6
アングラ愛に溢れた血みどろスプラッター!とにかく音楽も映画もアングラでインディペンデントなのが好きなのが画面からバチバチ伝わってくる。

元々ミュージシャンでレコード店を経営している監督だけあって、「70年代のカルト教団が録音した呪われたレア物サイケアルバム」という設定がチャールズ・マンソンやジョーンズタウン大虐殺のデステープを思わせる(マンソンのアルバムは劇中に出てくる)。その呪われたアルバムを求めてカルト教団の巣窟に進んで入っていっちゃうレコードマニアの主人公マックスの気持ち、わからなくもない。私なら恐怖が勝つけど。映像も70年代のアングラムービーやクラシック・ホラー、スプラッターへのオマージュが満載。ゴア描写も抜かりなしで、豪快な血しぶきに内臓に「そこは止めて…」と縮み上がる部分まで人体破損描写たっぷり。リアルさとコミカルさの絶妙なラインなのも往年のB級な感じがしていい。中盤フォーク・ホラー風になる部分はちょっと中だるみするものの、後半のカオスっぷりがたまらない。アンディ・ウォーホル的トリッピーな描写に、『ローズマリーの赤ちゃん』、『悪魔のバージン』、『エイリアン』辺りをごった煮にして、大量の血を飛ばしながら陶酔したように儀式を行うカルト教団の地獄絵図はまさにこれが見たかった!となる。そこから一気に駆け抜けるクライマックスは最高。ラストのオチもいい感じ。なかなかの拾いもの。


以下、登録されていない併映の短編『ワンダーローンへようこそ』のレビュー。評点には加味してません。

『レコード・オブ・パタノスター』の前日譚。74年に「パタノスター」なるリーダーが率いるカルト教団「光の使命」の取材に訪れたクルーに巻き起こる惨劇を描いたファウンド・フッテージスタイルの作品。これだけで成立する作品というよりは、コミューンメンバーへのインタビューから「光の使命」の活動内容や目的、「パタノスター」とは何なのかについて紹介する内容。最後にほんの少しだけスプラッターなところがあるけれど、良くも悪くもファウンド・フッテージらしくブラックアウトして終わり。ただ、こういうインタビューは実際に当時ありそうだなとは思う。今回Blu-rayの発売を記念しての上映だったけど、あくまで特典映像としてなら楽しめるくらいのクオリティ。

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