Baad

グエムル -漢江の怪物-のBaadのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.7
この映画、韓国に生まれ育った人だったら、とっても面白く見れるんだろうな、ということはよくわかります。でも、風刺の方向性にはおおよその察しはついても、細かい部分のギャクが判らなくて、少しつらかった。それ以外にも、二カ所ほど気になるところがあって、面白いながらも、ちょっと消化不良でした。あと、家族のエピソードの部分、面白かったけれど、少しだけ冗長だったかもしれません。ちょこちょこ合わせて7分位カットできなかったかなあ。

気になる所その1は、最初のホルムアルデヒドを流す部分。韓国ではよく知られているエピソードだから仕方ないのかもしれませんが、描写として戯画化しすぎ。それ以外でも、米軍の描写はマンガチックでちょっと浮世離れしすぎな感じがしました。
あと、ウィルスに感染、の部分の描写ももうちょっと危機感を煽っても良かったような気がします。娘をさらわれた家族の、自然体と言えば自然、だらだらと言えばだらだらの必死の努力の動きと合わさると、あまりに浮世離れしすぎてシュールに見えすぎる。このあたりまでが、ちょっとなじみにくかったところ。

それらに比べて、家族の描写の部分はよかったですね。一部、ギャクのつぼがずれてしまった部分を差し引いても、おじいちゃんー息子ー娘、の縦の関係の情の深さ、細やかさ、には心を打たれました。

ぺ・ドゥナ嬢はともかく、パク・ヘイル演じる大卒無職のおじさんは容姿端麗なのに行動がユニークすぎて、感情が伝わってくるまでに時間がかかって少しとまどってしまったのですが・・・

ぺ・ドゥナさんは、今まで見た出演作の中で一番美人に写っていたような気がするので、ずっと、ジャージだったのは少しもったいなくも思ったのですが、それも一興かと(笑)。

家族の愛に育まれて、すくすく育ったヒョンソちゃんは、本当に勇敢でしたが、彼女にしてみたら、普段家族にしてもらっている通りの、普通のことをしたかっただけなんでしょうね。

(面白かったけど、一部微妙 2010/3/12記)
Baad

Baad