めしいらず

プラトーンのめしいらずのレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
2.4
相手が民間人なのか敵兵なのか区別がつかない現場で疑心暗鬼に駆られた兵士がどうなっていくのか。無論、敵軍たる北ベトナム兵と戦っているのだけれど、それより同じ小隊内の遺恨による内輪揉めの方が強く印象付けられるお話である。善人は陥れられ卑怯者は依然のさばり続ける構図が、最後には勧善懲悪よろしくひっくり返る展開の仕方が、些か単純化され過ぎている感がある。アメリカ映画の流儀に則った自己批判的視座という感じか。バーンズが激戦中に生命の危険を犯してわざわざ主人公クリスを殺そうと迫るのも、それがギリギリで運良く回避されるのも、お話の都合が優先されている印象を受けてしまう。そう言えば公開当時、淀川長治氏がこの映画をオスカー狙いの偽善だと口を極めて酷評していたのを今ふと思い出した。作品としては卒ない出来栄えだとは思う。
再鑑賞。
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