凛

プラトーンの凛のレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
3.8
久しぶりに鑑賞。

ロシアのウクライナへの進行も年内には終わりそうもなく、ハマスとイスラエルも停戦は難しそう。
戦争は無益だと古から分かっているのに。

ベトナム戦争。
アメリカの最初の敗戦。
戦場に送られるのは低学歴や黒人など社会的にも恵まれていない者が多く、それに疑問を持った志願兵。
高温多湿の気候。どこにいるか分からない敵。
訓練もあまり受けていない新兵達に容赦なく襲いかかる敵。

日頃は平静を保てたとしても、戦場では徐々に善悪の感覚もおかしくなっていく。
死の恐怖に晒された時、殺さなければ殺される日々の中で、仲間を失い、劣勢に立たされる。

なぜアメリカは敗北したのか。
戦闘シーンは迫真に迫っていて、何と戦っているのかが分からない。
殺戮の末に何があるのか。勝っても負けても大量に失われる命。

PTSDという概念はベトナム戦争以降から構築されたもので、無事に帰還できたら全て良しというわけではない。
戦場には人間の心を完全に破壊してしまう危険がある。

国や戦う相手が変わっても、戦争は無くならない。
虚しい。
英雄なんていない。
凛