Kogarath

プラトーンのKogarathのレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
3.8
オリバー・ストーン自身の体験を元に映画化した作品。
どこかファンタジーというか寓話的要素もあった「地獄の黙示録」「ディアハンター」と比べると、現実の戦場をリアルに描いている印象を受ける。じめじめしたジャングル、まとわりつく虫、どこに隠れているか分からないベトナム兵。そして仲間割れ。こんなところに長期間いたらおかしくなっちゃうよっていう空気感が伝わる。実際、キャストをこの環境に2週間放り込んでから撮影したらしい。徹底的すぎる。

冷酷無比なバーンズと人権を重んじるエリアス。
エリアス寄りと思われたテイラーも、民間人の足下に銃を乱射するなど、理性と暴力の間で揺れ動くようになっていく。かつて「地獄の黙示録」で父親マーティン・シーンが演じた役が重なる。
民間人の虐殺といい、小隊内の同士討ちといい、戦争の狂気とはよく言うけれど、それをリアリティをもって正面から描いてるのが傑作たる所以なんだろうな。

今観るとウィレム・デフォーが若くて新鮮。ポスターの万歳ポーズも彼だったのね。
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