ぼぶ

マグノリアの花たち/スティール・マグノリアのぼぶのレビュー・感想・評価

4.4
舞台はアメリカの片田舎、そこにある一つの美容室。
登場人物は、綺麗な美魔女の美容師と、そこで働くことになった訳ありアシスタントと、元町長夫人と、結婚式を迎える母娘と、嫌われ者の婆さん…と、どこかポンコツな男たちが沢山。

誰かの悪口で盛り上がったかと思えば、些細なことで喧嘩をして、でもまた街のゴシップなんかで大盛り上がり。
女性ってのは6人も集まると、なかなかかしましいものですな。
その周りにいる夫だったり息子だったりはどこかポンコツだったり不器用だったりするのだけど、この映画はそれが良い。

しかし、終始賑やかなドタバタ劇で、女性パワーってすげぇで笑わせてくれていくのかと思いきや、『ライフイズビューティフル』的な、急な展開へ。
でもそうしてやっと原題タイトルの意味がわかる。
鋼鉄の意志で、「空っぽの人生より、30分の充実した人生」を精一杯幸せに生ききったんだなって。そして今度は残された彼女らは、それを女友達らで手と手を(文字通りのシーンもあったけれど)取り合って乗り越えていくんだ。
だって鋼鉄みたいな男は、大事な時には頼りないからさ。本当はこっちが鋼鉄なんだ。

また、マリンの「生まれる瞬間と、去っていく瞬間という人生における貴重な瞬間を共に見届けたのは幸せ」という言葉にはグッときた。

だけどそのまま、悲しいまま、でないのはすごく嬉しかった。仕事をなかなかとれない旦那は愛の告白をちゃんとするし、ウサギがバイク飛び乗るとこで声出して笑ってしまった。

80年代、しかも垢抜けてない片田舎な感じがファッションやメイクに出ていて良かったし、何より毎回みんなが整えるヘアスタイルもそれぞれ綺麗だった。(クレジットにヘアスタイリスト4人くらいいたw)
決して表に出過ぎない音楽も、サブキャラたちの動向も良かったな。(ゲイの話や、元カレとのやり取りや、ラジオ局買収などなど)
若ーいジュリアロバーツを観れるのもレアな気がする。

マグノリアは、春になると花と葉を同時に咲かせる。
そして花言葉は、自然への愛・崇高・持続性などなど。
一度に花と葉だなんて騒々しいなぁって感じだけれど、そうして崇高な愛は受け継がれて持続してきているのか…お、さすが映画とリンクしている気がする。

既に1989年時点でカワイイは作れる!って言われてたことと、木から鳥を追っ払うには空砲じゃなく爆竹ボウガンがベストってことも教えてくれる、そんな一作。

いつか性格悪いって言われたら「40年間機嫌が悪いだけ!!」って言いたいなぁ。笑
ぼぶ

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