ぼぶ

ハリソン・フォード 逃亡者のぼぶのレビュー・感想・評価

3.8
優秀で人望も厚い医師のハリソン・フォードは、綺麗な奥さんと優雅な暮らし。
そんなある夜、パーティーに行った後、急患の連絡を受けたため奥さんだけを家に帰して、自分は病院に行って手術を。
そして家に帰ると…血塗れの奥さんと、謎の義手の男!
格闘するも取り逃し、奥さんは死んじゃう。
しかし、警察の雑な決めつけの捜査で犯人にされ、しかも有罪になり死刑を宣告されるハリソン・フォード。
そんな彼を送致する時に他の囚人が脱走を企てて…ドカーンあって…無罪を証明するため、彼は逃亡者に。
その彼を執念深く追う、敏腕保安官との追いかけっこが始まる、そんなお話。

わりとスタートしてから時間の経った、刑務所送致シーンに、クレジットが入ってくるあたり、やっとこさここから“逃亡者”なるからな、ここがスタートだぜ。感を感じる。

トミーリージョーンズのキレ者感と、それを上回る賢さ炸裂のハリソン・フォード。
お話としても、誰が黒幕?というか果たして本当に無罪なの?どっち?とも思わされるし、この両者の対立だけでなく、適当に有罪にしたい警察や病院の関連性も出てくるので、複雑で面白い。

90年代だけあって、ガジェットがギリ今の感じに追いついていないのも、ちょうどいい塩梅である。
予算あったんだろうなという、the映画なシーンも多いのが良かった。
X線写真見る掃除夫と、ほうきでブラインドをガサガサする掃除夫のくだり好き。
あと、これからだ!ってセリフもカッコよかった。

トミーリージョーンズは正に受賞も納得で、
情け容赦ない感じを演出する物言いと、エピソードが散りばめられる中で、段々と真実を捉えはじめてからは立場は追う側なれど、ハリソン・フォードのことを理解しだすのが伝わるお芝居で、その微妙な変化が上手であった。
そしてそこからの、一番最後の名優2人のやり取りと笑顔が素敵。

スマートなら、病院の洗面台の扉にも隠れられることを学んだ一作。
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