山本

マイレージ、マイライフの山本のレビュー・感想・評価

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
3.7
洋画のお仕事モノを見ると、世の中にはこんな仕事もあるのかといつも驚かされる。リストラ宣告屋の主人公は年中各地を飛行機で飛び回っているが、ある日心理学専攻の新人が「出張なんてせずにスカイプで済ませればいい(大意)」と「お仕事改革」を主張するところから物語が進む。大事なのはフェイストゥフェイスで話すことなんだよ、と諭す主人公はいかにも古い人間のように映る。
メインのテーマはそこからすこしずれる。主人公の出張のお供を始めた新人は、出張の途中、彼氏からメールで一方的に別れを告げられてしまう。そこで主人公は「別れ方にも作法がある」とコメントする。つまりこの映画は、リストラ宣告という仕事を、人生における別れのメタファーとして使っているのだ。しかし別れがあれば出会いもあるはずで、いままで仕事で別ればかり告げていた主人公がついに……? という話。
テーマとモチーフの使い方はよくできているのだが、ラストの消化不良感が拭えない。個人的にはこういう悲しいおわり方は好きだけれども、これじゃ理解されなくても致し方ないという印象だった。けど好きな映画。
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