このレビューはネタバレを含みます
京都の旅館で2分間をループし続ける話。ループものにおいて時間が戻る理由はあんまり重要ではない。そんなのはいくらでもねつ造できるからだ。それよりも、ループのなかでどのように登場人物が成長するか、人間関係を変容させていくか、そこらへんのドラマとか描写に映画としてのクオリティが試される。
で、それで言うとフレンチ行きたい彼と一緒にわちゃわちゃ逃げるシーンはよかった。とくに「映画見ようぜ、配信で。何見る?」「ローマの休日。でも2分じゃ見れないか」「いいじゃん、繰り返し見れば」のところはめっちゃよかった。
終わらない日常、最後の作家先生の言葉を借りれば「主人公は日常という時間の檻に閉じ込められていた」状態で、それでも日々を楽しもうとする意志。これはサスペンスやSFがメインでない日常系ループもののほとんどに共通するメッセージ。
あと帰りの電車で思ったけど、たった2分の隙間時間を有効活用して2時間の映画を見ようとする姿勢って、多忙な会社員のインプット術として学ばないとなあと思った。まとまった時間がないから観れない/読めないというのは言い訳でしかない。通勤電車の20分間あるでしょ。週5回のループ。それでローマの休日を見るんだよ。
倣いましょう。