mingo

城ヶ島の雨のmingoのレビュー・感想・評価

城ヶ島の雨(1959年製作の映画)
4.0
就活を通し人生を見つめる労働讃歌、脚本作品より監督作は遥かに良い。
序盤の「次第に魚臭くなり氷に冷やされる毎日」という土着批判から一転「東京にだけ陽は照らされているんじゃない」と地方・地域の良さを謳い各地に散る同胞たち。「鈍感になってるんだけどな…」カットが切り替わる前の北原白秋に負けない映像詩人猪俣勝人の台詞回しがとにかく刺さる。城ヶ島に渡る船上で「この海は赤道に繋がっているんだなあ」という決意表明から冒頭の野口ふみえのバスカットとセットのラスト船上での「城ヶ島紹介アナウンス」が胸に染み渡る。

大学4年の頃最後の思い出を収めようと必死に色んな友達をフィルムで撮りまくったけど、好きだった子を乗せてあの橋を越えて撮影しに行った場所も「城ヶ島灯台の下」だったな…あれから10年。自分だけが取り残されたようだ
mingo

mingo