緑雨

ロング・グッドバイの緑雨のレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
4.0
プロットだけ採り上げればまったくつまらない探偵モノなのだが、それでもこんなにカッコよくって印象深い映画になるのだ。冒頭、深夜にキャットフードが切れて買いに行くというだけのエピソードでも目が離せないんだから。

ペントハウスの空間造型、隣人の裸女たち、物真似好きのゲートキーパー、瓶で女の顔を殴りつける外道男、波に飲み込まれる老作家、路上で交尾するメキシコの野良犬、なぜか上半身脱ぎだすチンピラたち、無闇に車を追いかけ轢かれる探偵、包帯グルグル巻きのハーモニカ男、そしてラストの並木道…正直どんな話だったかはすぐ忘れてしまいそうだが、これだけ印象的な要素が盛りだくさんな作品も稀有だ。
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