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2045 FILMS vol.1の作品紹介

2045 FILMS vol.1のあらすじ

『24 フレームの戯⾔』 商業デビュー作に挑む映画監督・中島悟。商業映画とは?プロとは?脚本の手が止まる彼の前に現れたのは初恋相手の美琴。彼女との過去を辿りながら映画と向き合う末に見つけるのは、創造か、破壊かー現実と幻想が交差するファンタジーラブストーリー。 『For My Grief』 夢のために街を離れるミナと、それを見送るマユ、誰かに言われたわけではなく主体的に別れを選ぼうとしている。すれ違い、気付いた時には失っていたもの、会えなくなってしまった人。四組の恋人たちが迎える、それぞれの別れと喪失、そして明日への物語。 『よもすがら』 理想と現実の狭間で自分を見失ってしまった鈴木颯斗。ある夜、喫茶店に迷い込む。揺れるジェンガを見つめながら、不思議な一夜を過ごす物語。

2045 FILMS vol.1の監督

秋葉恋

龍村仁美

吉村美雲

原題
公式サイト
https://2045.babel-pro.com/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
90分
ジャンル
オムニバス
配給会社
BABEL LABEL

『2045 FILMS vol.1』に投稿された感想・評価

「よもすがら」
影の使い方がいいなと思いました。言葉よりもビジュアルとしての映画を信じている気がして、そこは監督の個性かなと。もうすこし尺があれば、前半部分で主人公の地獄が描けたと思うので、死にたいと思わせるまで追い詰められる何か、を観客に委ねすぎずに描き切れたのかなと思います。

「For my grief」
3作品で一番面白かったです。短編映画はひとつひとつのシーンで何を描かなくて、何を描くかの取捨選択が難しいと思うのですが、それが成功していると思います。数珠繋ぎに描くことで、その前後の文脈を付与しつつ、その空間でなされる会話以外の情報を伏せることでかえって想像を広げる台詞回しにも惹きつけられました。

「24フレームの戯言」
まずベースとして作り手が作り手の映画を作るということに、なんというか少し温度が低くなった感じがしました。商業性の話など、監督が日々感じていることの投影だとも思うのですが、それを映画というそのままの形で聞かされると少し萎えてしまいました。
一方、フィルム映画が挟まれることの意義がきちんとあったり、虚実が混濁する風合いはとてもいいなと思いました。
また、橋口さんのミューズ感が素晴らしく切り抜かれていたのも、監督の眼差しがとても良いなと思いました。
2.0
よもすがら
かなり厳しかったです。
ファーストカットからモノローグで主人公を説明し始め、またカットも変わらないためかなり苦痛でした。
弟のセリフも記号的過ぎて気になりました。
「兄ちゃんいっそがしい〜」というセリフの質感がドラマ的で、この映画のリアリティラインを決定付けた気がします。
それと「昨日作ったピーマンの肉詰めあるからそれ食べて」みたいなセリフがあったと思うのですが、「作り置きあるよ」くらいでいいと思います。個人的な意見ですが、無駄なセリフが多くてキャラ情報の処理が大変でした。
それと適応障害を患っている人の解像度がかなり低いです。
人にはよると思いますが、適応障害は鬱や希死念慮とは違い、あそこの歩道橋で死のうと思うのは短絡的だと思います。あそこで自殺を悩むキャラなら、もっと丁寧に苛烈な環境を複合的に描いたら納得できたと思います。たとえば資料をダメ出しされるだけで無く、陰口を言われる、もしくは企画書は書かせて貰えず雑務を押し付けられる、夜遅く帰ってきて寝るだけやスマホしか見れないなど、彼の尊厳や未来への展望を破壊したら良いかもしれません。
喫茶店までのシークエンスが丸ごと端折られててかなり不親切だと感じました。どうやってあそこまで行き着いたのかを説明して欲しかったです。主人公の脳内補完ファンタジーとしての余白を残していたならあまり好きな構成ではないです。
マチュピチュの話や婚約破棄の話、女子高生の話は主人公の願望と呼応させたのかもしれませんが、長台詞の強度がかなり弱く、いまいち芯を食っていなかったと思います。マスターのジェンガのメタファーも当たり前のことを言っていたように思えます。
夜明けに主人公は前向きになり、エンドロールを挟み、「おはよう」で終わるのはちょっと流石に意味不明でした。誰に言ったのでしょうか?
主人公の状況は一切良くなっていない気がします。良くなった風になっているだけです。

常に登場人物が独白のように話していて掛け合いらしい掛け合いは無く、兄弟間の会話や婚約破棄の人と女子高生の言い争いも何処かで見たようなクリシェの連続でした。

良かった点は暗闇の中を大きな高速道路が赤く照らされ、画面を横断しているカットで、単純に映像がカッコよかったのと主人公の内面の暗さや危機感や不安を暗示させていてよかったです。


For my grief
歯が浮くようなセリフの応酬で、全てが空中分解し何も残らなかったです。
こちらも冒頭「あなたの言葉になりたかった」のようなことを言ってて、個性は個性でいいのですが、口語でそんなこと言うかな、と思ってしまい集中出来ませんでした。こういった作風に類似性のある坂本裕二や生方美来はセリフが印象的と言われますが、普通の話し言葉の中にそういった違和感のある言葉を配置し特徴付けており、全編それだとほぼ何の話しをしているか分かりません。
公園での女子高生2人と噴水のカットバックの意図が意味不明で、女の子の顔もフィックス出来ていなかったのが気になりました。
2組目のカップルが話している内容はほぼ理解できませんでした。画面構成もキャラの手前が白いローテーブル(その上にティッシュとタバコ)、奥に白いベッドで見辛かったです。おそらくエモーショナルなシーンなのだからこそ、プロップで画面の色彩構成を考えたり、衣装でコントロール出来ていたら良かったと思います。また恋人の2人の距離感もよそよそしく、演技からは感情が読み取れませんでした。「死なないでよ」と去り際言いますが、どういうことですか?
タクシードライバー目線に移り変わり、「いろいろありますよね」と話しかけてくるところでも、お誂え向きのセリフで自然には感じられませんでした。
離婚した後の夫婦のキャラの対比は良かったです。
しかしいかんせん離婚の原因の説明が足らず、消化不良でした。
続いてコーヒー店のバイトの女の子の別れたか亡くなってしまった彼氏?との思い出のシーンですが、彼が絵を描いていることの必要性が分かりませんでした。
俳優の男性もカッコ良過ぎて、役というより本人のようで少し画面から浮いてた気がします。
そして動物園のシーンで冒頭の女の子2人が再登場してきますが、ここもよく覚えていません。

オムニバスのような形式でチャレンジングなのは評価しますが、全体的に芝居が薄く、きっと台本にはト書きが無く、展開というよりもセリフを書き連ねたのだろうなと想像します。

ただカラグレは3作品の中では1番好きで、非常に繊細な色彩感覚を持っているなと思ったので、もっと非言語的な演出を見てみたいなと思いました。カメラの中に運動を収めているところをもっと見たいです。

24フレームの戯言
映画の体裁は唯一保てていたと思います。
映画監督の主人公がスランプになっている。→過去に何か囚われている→それをちゃんと探ってきなさい。という冒頭のセットアップシークエンスで主人公の葛藤と行動予定が明確になり、非常に見やすかったです。
主演の若林さんの演技も素晴らしかったです。
プロデューサーが監督のパラノイアから救い出すために仕掛けた女優という物語構造は突飛でありながらも現実と虚構がないまぜになる演出で違和感なく処理できていました。
同僚で売れっ子の映画監督と相対しつつも、最後にタバコを一緒に吸うシーンではフレームインフレームを採用し、関係性の修復を表現していて良かったです。
しかし過去の彼女のシーンは映画ではなくただのデートだったので、個人的には劇中劇っぽくしてくれた方が今の彼女が語りかけてくる時の迫真さが出たんじゃないかなと思います。
そしてかなりメタ的なセリフが多く、作り手の思想があまりにも見えてきてしまい少しストレスでした。もちろん作品なので表出して当たり前だと思うのですがご自身が映画監督という職業なのでそのグロテスクさも多分にあります。
ただそれも相まってこれだけの強度の作品が作れたと思うので、今度は別テーマでも肉薄した内容が作れるのか気になります。

3作品ともお若い監督と知り、単純に予算やテーマの制約の中で完成させるだけですごいと思うのですが、やはり観客として観る時はそういった裏側のことは分からないし、個人的には優れた作品たちとは言えませんでした。
ですがそれぞれ良い点もあるので持ち味を活かしてこれからも頑張ってほしいと思います。
なお
-
園凛が出ているので
園凛良すぎて涙出てくるわ

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