ひでやん

プレシャスのひでやんのレビュー・感想・評価

プレシャス(2009年製作の映画)
3.5
義父から性的虐待、母から精神的虐待、肉体的虐待を受ける16歳のプレシャス。ボロい安アパートで暮らすその家庭環境は最悪。嫌なことがあると妄想の世界に逃げるプレシャス。
義父はもちろん最悪で論外だけど、
オカンがね、救いようもない人生ゆえの性格。
とにかく男運が最悪で、男がプレシャスを求めると、嫉妬心からプレシャスを攻める。怒りの矛先は娘ではなく、ダメ男に向けるべき。そして即、別れるべき。
娘に自分を世話させて、わがまま言って、罵声を浴びせる。学校にも行かせず、お前はダメな子供だと言う。
いや、ダメなのはお前の男であって、
そんなダメ男を好きになったお前が悪い。
さらにプレシャスが妊娠。もう気が滅入る。
救いなのはプレシャスが犯罪者にならず、自殺しなかったこと。
ダムが決壊するように、抑えていた思いが溢れだし爆発した時の演技は凄い。
オーディションで選ばれて映画初出演の
ガボレイ・シディベは、こんな辛い役を見事に演じた。
テレビを2階から投げつけられ、ドカンと落ちるシーンは、ゾッとした。
この終わり方、ハッピーエンドだとは思えない。
マライアキャリーが出ていたのは、
全然気付かなかった。
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