円柱野郎

ダイナソーの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ダイナソー(2000年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

キツネザルに育てられたイグアノドンの子・アラダー。
突如起きた天変地異から逃れ、初めて同族の恐竜たちと出会うアラダーだったが…。

かなりリアルな造形の恐竜たちだけど、リアルなのは見た目だけ。
喋ったり表情を変えたりという擬人化された感情表現のそれは、動物たちが歌って踊る他のディズニー映画の論法と変わらない。
心優しい育ての親たちと暮らし、危機から逃れ、仲間を助け、古い考えのリーダーと決別し、敵を倒し、みんなの信頼を勝ち取って新天地へ…。
ストーリーが恥ずかしいくらいに王道で、大人が観るには少々物足りないかな。
肉食恐竜が吠えるばかりで喋らず、あくまで獣と表現されるのは何か不公平な気もするけど…、まあ演出上の都合だろうしこれ以上は言うまい。

映像は2000年当時のVFXと思えばよく出来ているかな。
実写の風景にCGキャラを配置している場面もあって、割り切った作りの部分も多い。

しかし現実的なことを考えると、白亜紀末期の隕石衝突後は、地球が寒冷化して恐竜は絶滅する運命なわけで…。
劇中で「命の大地だ!」「未来がどうなるかなんてわからない!」と言われても、何か逆にしんみりしてしまうよ。
あくまであの時代の恐竜は滅びゆくものであるわけで、ディズニーのテンプレートにハメたが為に個人的にはハッピーエンド的な感じが違和感として残ってしまった。
円柱野郎

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