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セックスと嘘とビデオテープの10000lyfhのレビュー・感想・評価

4.0
セックスをめぐる言動で流動する男女 4人の関係性。あまりにも広いテーマなので、考察内容やアプローチ方法はあくまで一例どまりだが、セックスと人間関係との関わりを真剣に捉えた、数少ない映画の一つ。それぞれ概念と事象と物体を表す、3つの異なる性質の名詞を羅列したタイトルそのまま、「性本能に忠実に生きると不誠実 = 嘘に至る」こと、そしてヴィデオの個人性、親密性も描かれる。結婚/離婚含め、人生の 1フェーズから次へと推移する、アラサー男女たちの成長記録であり、カミングオヴエイジドラマであり、青春映画でもある。これ 1作で出し切ったかのような、後年のブロックバスター作品にはない、ソダーバーグの魂の叫び。ストーリー/演技/音楽(ディストーションかかったアンビエント調で、単独で聴いても面白くないが、映画にはよく合う)が一体となって生み出す気怠いムード、先行シーンの映像が続いている間に後続シーンの会話が前倒しでかぶさる独特の編集テクなど、ソダーバーグシグネチャはこの処女長編から全開
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