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スターリングラードのskynetのレビュー・感想・評価

スターリングラード(2000年製作の映画)
3.6
ロシアによる侵略戦争がリアルタイムで起こっている現在、この映画はとても感慨深い。
第二次大戦の1942年スターリングラード攻防を描いた映画であるが、ナチスドイツがソビエト連邦内に侵攻しつつある情勢は今とは全く逆で、あの周辺の国境線は昔から勢力争いで行きつ戻りつの状態であったことがよく分かる。何とか安定しないものだろうかと思う。

映画はソビエト側を描いているのだが、このソビエト軍がなかなかに酷い。銃が足りていない中、兵士は生身で突撃させられ、銃を持っている兵士が倒れたらその銃を奪って戦えという命令で、兵士がばたばた倒される中、自陣に逃げ帰れば帰ったで上官に射殺されるという、何とも酷い組織を見せられる。
こういう兵隊の扱いはもしかすると今も同じなのかも知れない。

映画の本題のスナイパー同士の戦いはとても見応えがあって良かった。実在のスナイパーを描いているという意味では「アメリカン・スナイパー」を思い出したが、こちらの方がスナイパー同士の戦いがしっかり描かれていると感じた。ただ、戦場であのように敵の一人を個人として意識して戦うことなんてあるのかなと思ったりもした。それと、後半で恋愛要素が絡んでくるのだが、話の方向がボケるだけで無い方が良かったと感じた。
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