特濃ミルク

ウイラードの特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

ウイラード(1971年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

 色々と要領が悪く、職場でも舐められているようなダメ男が主人公。ある日、孤独な自分への慰めとして飼育していたネズミたちに対して特別な訓練を施し、恨みのある社長のホームパーティーを襲撃するのだが…。
 ネズミ嫌いな人が見ると発狂しそうなくらい大量のネズミが出てくる映画。一応形としては人間とネズミのバディものであり、これが実は「レミーのおいしいレストラン」の元ネタに…なってるわけないだろうな。
 ラストに関しては、お互いが円満になって終わるようなありきたりのエンディングではなくて、所詮人間と動物は分かり合えるはずもなく、都合が悪くなりゃ殺し合うってのがビターながらもリアルで良いなぁと思った。
 結局のところネズミを上手く利用するために賢くしすぎた事、あと繁殖の抑制ができずに面倒を見きれなくなった事なんかが、ウィラードの運の尽きなんだな。この構図を人間社会で考えてみると、資本家と労働者、王と民衆、とか色んな関係に当てはまりそうだ。
 下の立場にいる者たちをいかに統率し、充分な満足を与えてやれるか…社長にせよ、ウィラードにせよ…それが出来なかった。つまりこれは失敗したリーダーたちの物語でもあるのだろうな。
特濃ミルク

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