ほーりー

風と共に去りぬのほーりーのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.5
1日遅れですが、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、新春一発目レビューとしてチョイスしたのは、おそらくレビュワーの皆さんもこの年末年始に観ているだろうと思われるこの映画を。

マーガレット・ミッチェル原作の古き南部の物語…。
GONE WITH THE WIND

あのオープニングでタイトルが映し出されるだけでも、打ちのめされるような衝撃を感じる。

今回久しぶりに観てまず思ったのが、ニッチェ江上って、前々からどこかで見たことあるなと思っていたけど、マミー演じたハティ・マクダニエルだったわ( ̄▽ ̄;)アハハ…。

という、どうでもいいことは置いといて。

映画史上最高の美しすぎるビッチことスカーレット・オハラが、南北戦争や戦後の貧困にもめげずに逞しく生きていく壮大な物語である。さすがに内容がボリューミーだけあって231分もある長尺作品。

しかし、これが不思議なほどテンポが良くて、長くてダレるということを全く感じさせない。しかも1939年に思わず息が漏れるようなこの映像美…、質と量ともにこれほど最高水準を保った作品も珍しい。

お馴染みの夕闇の中、スカーレットがめげずに力強く立ち上がるシーンは言うに及ばず、メラニーの出産シーンの影絵のような神々しさ、スカーレットが母の遺骸と対面するときの陰鬱なトーン、そして猛火に包まれたアトランタからの脱出シーンの迫力など数え切りれないほど名場面が多い。

太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争と一度も本土が激しい戦火にあびなかったアメリカにとって、独立後では南北戦争が唯一慣れ親しんだ土地が猛火に包まれた戦争(Sherman!ってクレジットが印象的だが、あれは北軍のシャーマン将軍による焦土作戦のことで、あれによりアトランタが灰燼に帰した)だったように思う。

そしてこの作品が日本に公開されたが1952年。本作は日本でも空前のヒットを飛ばした。

まだ戦争の記憶も生々しい時代にこの作品を観た日本人が自分たちの姿を、戦中・戦後を必死に生きぬいたスカーレットやレットやアシュレーやメラニーに重ね合わしたのは想像に難くない。

あの戦没者が発表された時の、南部の人が悲しみにくれるシーンなんて、当時の日本人は涙なしでは見られなかったのではないだろうか。

さて最後に、実はアンパンマンのドキンちゃんのモデルはこのスカーレット・オハラだそうな。そういわれてみれば、レット・バトラーがばいきんまんで、アシュレーはしょくぱんまんの構図にそっくりである。
ほーりー

ほーりー