円柱野郎

風と共に去りぬの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れた不朽の名作。南北戦争前後をたくましく生きる奔放な主人公、スカーレット・オハラの半生を描いたドラマ。

まず最初に、主人公に共感できないw
ワガママで勝ち気で自尊心の強いスカーレットにどれだけの人が振り回されているのか。
でも南北戦争という時代にあって逞しく生きた彼女の姿は、この性格あってのストーリーなんだなと思う。
“映画”という世界にあって、ヴィヴィアン・リー演じるスカーレットとクラーク・ゲーブル演じるバトラーというキャラクターは、誰も代われる者のいない存在であることは間違いない。

上映時間は232分という長尺だけど、最後まで気の逸れることのない作りは見事でした。
個人的にはインターミッションまでの前半の展開が良いと思う。
南部人の生活と南北戦争の足音や、ついに焼け落ちるアトランタは実にドラマチックだった。
逆に後半は人物描写にクローズアップしていくのでどことなくこぢんまり感が出てしまっているような。
まあ、人物の深みは増していくのだが。

しかし'39年の作品でこの画の力強さはどうか。
どれだけ撮影技術が発達してもこの映画の空気は再現できないだろうなあ。
技術的に言えば手間と費用のかかるテクニカラーを使ったカラー作品となるわけだけど、白黒映画時代にあってカラー撮影をしたその労力は、人々を感動させる作品として永久に残っていきますね。
円柱野郎

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