石井克人、三木俊一郎、ANIKIの3人によって結成されたユニット“ナイスの森”による初監督作品である2006年の日本映画
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全21のエピソードからなるオムニバス映画。それなりに繋がりもあるけど、21個のコントを観ているといった印象。個性的な世界観を持つ3人のクリエイターが集結したんだから、普通の作品ができるわけない。とにかくシュールな笑いを詰め込んでいるから、置いてきぼりにされる人が続出するだろう。
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1人で作るのと違って、3人集まると悪のりが始まるのは男子のさがだろう。多少、自慰的なところもあり、理解不能だったりする。それでも、繰り返されるくだらない展開に、徐々にハマって笑ってしまった。これは極端に好き嫌いが別れるタイプの作品だろう。石井克人監督の「茶の味」の礎になっているのも間違いない。
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こんなコント映画みたいな作品だが、出演者はやたらと豪華。浅野忠信、寺島進、加瀬亮、池脇千鶴、吹石一恵、菊地凛子、夏帆、津田寛治など、豪華過ぎるメンバー。「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督が学生役で出演してるのには笑った。お茶目な加瀬亮、踊りまくる加瀬亮を観れるのもファンにはたまらないだろう。
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映画を観たという気分になる作品でもないので、気軽にお笑いDVDでも観るノリで観ることをお勧めする。それでも、着いていける人は少数派だろうけど、こういう個性的なクリエイターの本気のおふざけも、マンネリ化した日本の映画界の刺激になっているんじゃないかな。