ひろ

ノクターナル・アニマルズのひろのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.7
トム・フォードが監督・脚本を務めて製作された2016年のアメリカ映画

トム・フォードと言ったらファッション・デザイナーとしての方が有名だろう。映画監督としては2作目。デビュー作「シングルマン」からだいぶ間が空いてからの2作目。ファッションと映画だなんて、おすぎとピーコを足して2で割った才能の持ち主。ファッション・デザイナーらしいというか、アーティストらしい感性の作品。オープニングがかなりぶっ飛んでいて、これはやばい映画だなと思わせてくれる

元夫から送られてきた暴力的な内容の小説「夜の獣たち」。その内容に引き込まれていくスーザン。現実世界と小説の世界が交互に描かれていき、スーザンの心に変化が起きるといった展開

これはちょっと言葉では説明しにくい作品。トム・フォードはアーティストなので、常人ではついて行くのが大変。作家の元夫は作品に2人の関係性を隠喩しているわけだけど、それを理解しようにも、小説の内容が内容なのでなかなか考える暇を与えない。現実世界で現夫との関係や元夫への後悔で思い悩むスーザン。小説世界の主人公に自分の心情を重ねる元夫エドワード。全体的に暗いテイストの作品ではあるが、この心情の描き方は面白い

スーザン役はエイミー・アダムス。かわいらしいプリンセス役なんかもしてきたけど、今回は思い悩むマダム。かわいらしい彼女の方が好きだけど、役者だからいろいろできないとね。エドワード役はジェイク・ギレンホール。相変わらずいい役者。現実世界と小説のどちらにも出てくるけど、イケメンってわけじゃなに、魅力的な個性があって惹きつけるんだよなあ。彼が出演している映画はハズレが少ない。

小説に込めた思いがあり、現実と小説を交互に描いてその思いを表現してしていく手法は斬新だった。ラストなんかそう終わるかーって感じ。トム・フォードって感じ。偏見かもしれないけれど、ファッション・デザイナーって変人が多いに違いない
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