カラン

裏窓のカランのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
5.0
ヒッチコック式の窃視の映画。窃視というのは盗み見ることだから、何を見るのかが重要である。しかしヒッチコックの場合、何を盗むか、何を見るのかは、不思議なくらいに問題にならない。撮影の撮影の映画は、撮影しているところを撮影するべきで、撮影の撮影における始めの撮影が何を対象にしているのかは2次的な問題であるという彼の哲学が強く出た殺人を巡るサスペンス。




プレイヤーのカウンターで16 分頃にキスします。(^^)

ヒッチコックの法則というのか、夕暮れにまどろんでいると、グレース・ケリーがクロースアップでインして、横写しに切り替わるとスローモション風に優しく唇が重なる時には、スクリーンの左半分を女が右半分を男が占める大写しで余白はほとんどありませんから、2人以外は何も見えません。大事なことはその分大きくね。映画史上最強のキスでしょうな。そしてキスの終わりはカメラが時計回りに回転して、女が身を離すと、視界が戻ってきます。

44分にもキスします。この時は2人の隙間を埋めるとでもいうかのように女がジェームズ・スチュアートにすがりつき、何度も唇を重ねています。私を見て、私を気にして、と。この後もキスしますが、犯行を見落としてもなんですから、気にしなくて済むようにあえて書きました。なんちゅーロマンティックな映画じゃーとか思っていると見逃しますからね。(^^)



自宅隔離からローマへ③
カラン

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