ぬーたん

海峡のぬーたんのレビュー・感想・評価

海峡(1982年製作の映画)
3.6
『黒部の太陽』を観たばかりなんで、トンネル工事の困難さを乗り越えての爆破貫通シーンも、やっぱり黒部の方が迫力あって、比べるとちょっとショボく感じてしまう。働く人間達のドラマも主演2人に焦点当てすぎて、描き切れず、というのが勿体ない。とは言え、やっぱり高倉健。トレンチコート来て海辺を歩いているだけで、ごっつあんです!と言いたくなる満腹食堂、満足度。先日『ブラック・レイン』を4回目位だけど再鑑賞したけど、まあカッコ良くて!でもアレは優作の存在感に皆んな負けたわけで。それより7年位若く、でも50歳位で一番男盛りで、そのオーラにオラのハートはズキュンだ。オラ、悟空!
ヒロインは吉永小百合。言わずもがな。いまだに美しく可愛らしいこの方は、演技云々なんて関係ねえ。まさに天使。エンジェルさゆり。文句なし。この2人、まあ、北国の吹雪が似合う。耐える生き方が似合う。小さな赤ちょうちんの一杯飲み屋で、熱燗を飲んでいるのが似合う。ラストに出て来るまさにそのシーン。このシーンに泣かずにいられっか。エンジェルサユリの一途な心に昭和枯れすすきのワタクシ、ぐっと来た。穴掘りより見せ場だね。北海道に住んでいる私としては、応援し続けて来た2人なんだよね。
豪華メンバーに心躍る。だって森繁久彌さま。屋根の上のヴァイオリン弾きが、トンネルを掘るネン。ヴァイオリンをスコップに替えて、掘るネン。というか親方なんで、命令するだけだけど。ちょっとユーモア溢れるセリフも挟んで、社長シリーズを思い出すユーモア加減がええ!96歳と長寿を全うされた、まさにオヤジだった。
大滝秀治と健さんとの2ショットは遺作の『あなたへ』を思い出し感慨無量。笠智衆は小津映画同様の好々爺で上手いんか下手なんか、やっぱり分からん、不思議なお父様。でもホッとする役者だった。
小林稔侍、北村和夫、東野英心、など懐かしい顔。やっぱり上手い。阿藤快が若い。
三浦百和、でなく友和は今や、悪役もやる良い役者になったが、今作はちょっと酷いね。まあ若いし仕方ない。役自体も説得力ない何となくとってつけた感じ。
そして大谷直子。懐かしい。日曜劇場とか出てたなあ。ちょっと怖い冷たい印象だったが、今作でもクール。まあ、健さんよ、直子と小百合、比べるまでもなく小百合やろ!まあ、健さん演じる阿久津はトンネルと結婚したんだろうけど。
黒部同様、迫力ある映像、木村大作のカメラが素晴らしい。ただ、やっぱり感動という意味では、貫通シーンがちょっといま一つだった。万歳!という感じでなく淡々としてた。また、肝心な時にプライベートの大変なことが重なるという設定も、黒部の真似に感じた。そういえば大滝秀治は黒部にも出てたなあ。
北海道新幹線の工事も始まり、札幌から新幹線に乗れる時代がもうそこまで来ている。何としても生きて新幹線に乗るぞ!
※おやつはハスカップジュエリーサンド。酸っぱいハスカップと甘いクッキーがベストマッチ。
※夕飯は鶏団子鍋。白菜・油揚・えのきだけ・春雨・水菜・椎茸・ネギ。鶏団子には生姜と豆腐を入れて。柚子胡椒とポン酢で。水茄子の漬物。昨日の残りの春巻き。
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