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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのNのレビュー・感想・評価

4.0
2023.8.7(Mon)
ずっと観たいと思っていたので、レオ様祭り開催にあたり鑑賞。

フランクのピュアさとピュアさの中にある弱さ故に徹底的に現実から目を背けようとする姿が、タイトルにも引っ張られてちょっと『キャッチャーインザライ』のホールデンっぽいなと思いました。問題と向き合うことを避けるためにはとんでもない量のエネルギーを使って行動するのに、問題と向き合うことに対するエネルギーは皆無という。そういう性質に厭世観が加わったパターンがホールデンで、頭脳が加わったパターンがフランクという感じ。本当はそのエネルギーを少しでも問題と正面から対峙することに回した方が、あっさり解決しちゃったりするんだけどね。
ホールデンはある種の諦念や悟りによって逃避行を終えるけど、フランクはちゃんと受け止めて消化して救われてよかったです。どんな人と出会ってどんな人と関わっていくかはとても大事だなと改めて思いました。逃避行に走るのは自分を救ってくれる誰かや何かが周りに存在しないからこそなわけで、そう考えると逃避行も必要不可欠なものなのかもしれないなと思いました。
以上、『キャッチャーインザライ』厨の感想でした。

若い頃のレオ様がフランクの役柄とよくマッチしていてよかったです。まだ垢があんまりついていない感じ。
トム・ハンクスはちょっとおバカなお人好し役しか観てこなかったけど、こういう役柄も合うんだなと思いました。
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