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ウルフ・オブ・ウォールストリートのNのレビュー・感想・評価

3.0
2023.7.30(Sun)
タイタニックでレオ様熱に火がついたので鑑賞。

やっぱりジャックなんてこの世にはいなくて、現実の男ってこうだよな〜と思いました。まぁこれはこれで逆に現実離れしているけども。とりあえずお金持ちになれる人は良くも悪くも人生に費やせるエネルギー量がすごい。体力とか気力の有無って人生の如何やを左右するかなり重要な要素だなと最近つくづく思います。

でも乱交しても自分がピンチになってもナオミのことをちゃんと気にかけていたのは意外でした。ナオミが落ち込んで帰ってきたら顔に手を添えて優しい声でどうしたのか聴いたり、船が遭難しかけたら真っ先に守ろうとしたり、成り上がってお金持ちになっても人を愛する気持ちが残っているのはすごい。だいたい私の知っている成金は自分以外をモノとしてしか見なくなるので。
でも今回のレオ様はその微かな好感度を他の行いのせいで台無しにするまでがセット。まぁ仲間も売らなかったし、犯罪に手を染めはしても完全悪というよりはあらゆる人間くささのバロメーターが振り切れためちゃくちゃ人間くさいキャラなんだな〜と軽く思いました。でも人間くささってそもそも理性と本能の間で揺れ動くからこそのものであって、振り切れちゃったらそれはもうただの動物なのよね。理性を働かせ中庸を保とうとするのが人間なので。
そしてそういうジョーダンにちゃんとNOを突きつけて1人で我が子を育てていこうとするナオミがかっこよかったです。若さと美貌だけが取り柄のおバカちゃんとかしたたかな小娘とかじゃなくて、ちゃんと地に足がついている感じがしてやるやんとなりました。

あとギャツビーにもリンクする役だったわけだけど、同じような地位の役を演じてもそれぞれの役が全くよぎらない演技力がさすがでした。
個人的にこっちの方がレオ様に合ってる感じはする。

話はちょっと無駄に長く感じました。定期的に観客の興味を引き続けるためにセックスシーンを挟んでいる感が見え見え、というかそういうシーンが無駄に多いせいで長く感じました。というかお金ではこれだけワーワー騒いでるけどドラッグをやってること自体は犯罪ではないの??笑
オチもうーんって感じでした。そもそもドタバタ劇を楽しむ作品であって、オチに何かを感じ取るものじゃないかもしれないけど、そのドタバタが自分とはかけ離れた金ドラッグ女等々で惹かれるものがないのでこの後味なんだろうな。

でも場面転換の仕方は面白かったです。ラリっても無傷で帰れたと思っていたら実は〜っていうシーンとか。
音楽は個人的にツボまであともうちょっとって感じで惜しかったです。
そもそも私がスコセッシと相性あんまりよくないのが薄々わかってきた。

とりあえずペンを売ってみろと言われたときの最適解は「名前を書いてください」。
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