寿都

ケイン号の叛乱の寿都のレビュー・感想・評価

ケイン号の叛乱(1954年製作の映画)
4.6
戦いのシーンはなく、人間ドラマが楽しめる映画。倫理観を揺さぶってくれる。でも笑えるし軽薄さもあって重くない。めちゃくちゃ面白い。

聞いたこともないタイトルだったが、
例えば「十二人の怒れる男」に近い感覚の、名作と言い切れる超おすすめ作品。

職場の上司と部下の人間関係を描いたもので、
職場と言っても、舞台は海軍。
有事にトップの命令に背くと…まさかの絞首刑ww 冗談だと思った、クビになることの比喩かと思ったぜ。そこの重みを法廷シーンになるまで解ってなかった。

色々な解釈のできる結末だと思う。
トップが無能に見えたからって、みんなが感情的に批判するとただの「集団いじめ」になりかねない。
勿論、艦長が無能であることが悪いのだが、ダメな上司だからって反発するのはアホな部下だ、上司をうまくコントロールしろ、という教訓だと解釈した。
一見正しく見えた主人公たちの行動にも明らかに軽率さがあり、結局自分たちの首をしめた。
真に冷静な判断を下さねばならない。若き少尉たちはその責任の重さを学べて、死刑にならなくてよかったよかった。

「経営者は孤独なんだよ…」なんて話しは定番だが、それを超かっこ悪く表現した、ハンフリー・ボガードの痛々しい演技がすごかった。
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