広島カップ

パラダイムの広島カップのレビュー・感想・評価

パラダイム(1987年製作の映画)
3.9
ジョン・カーペンター作品の特徴的な要素がギュット詰まっています。

①閉鎖的空間に閉じ込められた登場人物達の脱出劇であること。
②人体乗っ取り劇であること。
③単に人形(ひとがた)のシンボルと化した人間の不気味な立ち姿。
④単純なメロディーラインで構成された不気味な旋律。
⑤ドナルド・プレザンス、ヴィクター・ウォン等カーペンターお気にいり俳優の出演。

街外れに建つ寂れた教会に遥か昔に閉じ止められた悪の力が甦えろうとしている。
阻止せんと立ち上がった牧師と大学教授と学生達だが教会に閉じ込められる。
果たして阻止はできるのか?そして脱出はできるのか?彼等の運命は……

本作では特に③が効いています。
昼日中の路上にスッーと立っている人達、夜の暗闇の中に黙って立っている人影群、特に顔面白塗りのアリス・クーパーがいい味出しています。
人体を無数の昆虫で構成した人形(ひとがた)が暗闇のなかで崩れていく様子なども秀逸で、これら不気味な立ち姿の描写は彼の作品群の中でも本作が一番だと思います。

最後におとぼけを一つ。
本作がほぼ唯一の映画出演という主役の一人ジェームソン・パーカーですが、小平奈緒選手が鼻髭を生やしたような顔なのには参りました。笑
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