広島カップ

テシス 次に私が殺されるの広島カップのレビュー・感想・評価

テシス 次に私が殺される(1996年製作の映画)
3.5
『アザーズ』(2001)や『海を飛ぶ夢』(2004)など渋い作品を手掛けるチリ人監督のアレハンドロ・アメナーバルのデビュー作。
スペインの学校で映像を学ぶ女子学生が学内で見つけたスナッフフィルムを発端に猟奇殺人事件に巻き込まれる物語。

こうした話の常として殺人犯の候補が何人か出て来ます。私はこうした犯人探しの物語を観ると、一番怪しくなさそうな奴をまずは怪しいと思い、怪しい奴を怪しくないとして観てしまいますが本作は候補者が皆一様に怪しくて、アイツもコイツも怪しくないとなってしまいます。何処かに見えない黒幕がいるのでは?となってしまいます。
完全にコイツは白だという奴がいないのは逆に上手く観客をミスリードしているとも言えますが、怪しい奴がやっぱり怪しかったというのは少し物足りない結末です。
作品全体が怪しい雰囲気の中で進むのでこうしたサスペンスの出来になっているのだと思います。
『アザーズ』もそうでしたが、作品全体を怪しく演出できるアメナーバル監督はデビューからそうした持ち味を発揮していました。
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