生酒冷造

八日目の蝉の生酒冷造のレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
2.9
赤ちゃん時に父親の不倫相手に誘拐された女性が、同じように不倫で妊娠してしまい、、自己を見つめる道中をする。。

この映画、正直、点数としての評価が難しい気がします。
子育ての経験あるかどうか、恋愛偏差値が上かどうか、色々経験あるかどうか、、見る側の環境で印象ガラリと変わりそうです。
個人的には、この映画、座り心地と着地の悪さを感じました。ハッピーエンドなのにお先暗雲を感じるような。

まず、主人公クラスに「罪人」はいても「善人」がいません。
むしろ、彼女たちを取り巻く周りの人々が善意の人々で、寄り合い助けて暮らせる。。
「誘拐犯」の不倫相手は母親と偽りヒロインを子育てしつつ、逃走暮らし。。
凄く涙ぐましいです。
映画はこの子育て成長物語劇がメインです。
邦画「この子の七つのお祝いに」と真っ逆さまな健康的な精神ですね。
血が繋がらなくとも親としての自覚を持ち、なりふり構わない。この子と歩む人生に苦労を厭わない。。
いい味わいでした。
よく耳にする育児ネグレクト事件と比較してしまいます。

対して、「侮辱」を与え続けた産みの親は自身の行いからヒロインにトラウマを与えてる。
結果、生き方が「空っぽ」のようなヒロインが育ての親と共に過ごした記憶を辿ることで満たされていき、自身の招いた「不倫」相手の子供を産み育てる決意をする。。
ただ、自己回帰=幸せの幕切れとは、、なかなか不完全燃焼でした。
不倫云々やら、シングルマザー的人生を議論とかでなく、ヒロインの自己満足決意の更に先を見たかった。
映画として現在進行形で終えるのでなく、更に突っ込んだ結末まで持っていて欲しかったかも。。
生酒冷造

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