コーカサス

風の輝く朝にのコーカサスのレビュー・感想・評価

風の輝く朝に(1984年製作の映画)
3.8
時は1941年―。
第二次大戦が勃発し、日本軍侵攻下の香港を舞台に、ひとりの女とふたりの男の愛と友情を描いた香港ニューウェーブの傑作だ。

『愛と復讐の挽歌』では敵味方だったチョウ・ユンファとアレックス・マンの固く結ばれた友情と、彼らの間で揺れ動くイップ・トン演じるヒロインの男女3人の関係は『冒険者たち』を思わせ、とりわけフェイ(ユンファ) の“引き際の美学” はレオン・ポーチ監督の詩情豊かな演出と相まって、深い余韻を残す。

この2年後に、ユンファは『男たちの挽歌』で大ブレイクするのだが、本作を観ると改めてその確かな演技力を知ることが出来、彼が本作でアジア・台湾映画祭主演男優賞を受賞したのも十分頷ける。

39 2022 1994/8/19