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ブラックブックのkirioのレビュー・感想・評価

ブラックブック(2006年製作の映画)
3.9
ヴァーホーベンが送る、ナチ党占領下の上質なサスペンス
オランダ映画ではあるが、ハリウッド級のかなりの大作で、質、内容共に見応えあり

手塚治虫とかが書きそうな、えげつなくもたくましいヒロインの伝記


STORY
ナチス占領中のオランダ、ユダヤ人のラヘルは逃亡を図る途中、ドイツ兵に家族を皆殺しにされる。
復讐を誓うラヘルは、オランダ人革命家ハンスたちの率いるレジスタンスに加わり、ナチ諜報部のムンツェ大尉の愛人として、スパイ活動を始める。しかし、それは愛と暴力に塗れた復讐の始まりに過ぎなかった…。


ナチスドイツの占領下を舞台に、オランダに生きるユダヤ人、軍閥社会に生きる女性としての骨太な戦いが見所

しっかり、ヴァーホーベン流のお下劣な要素を組み込まれ、それも戦時下の熾烈な人間模様がドラマとして生きる
ナチ云々というより、人間としての貪欲さ、気高さみたいのがキャラクターの生死を分ける

ナチスに関しては、ヴァーホーベン作品でも、度々に悪のモチーフとして現れる(ハリウッドでは多いが)
ポーランド人のヴァーホーベンとしては、ナチスにはそれなりの感情があるようにも思える

しかし本作、思っていた以上に直球のサスペンスで
息もつかせぬ展開で飽きさせない
メッセージ性というより、純粋に娯楽作品として申し分なく楽しめる
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