松原慶太

八つ墓村の松原慶太のレビュー・感想・評価

八つ墓村(1977年製作の映画)
3.8
数十年ぶりに観たが、やはりおもしろい。伝奇ミステリーロマンの一代傑作。

山崎努が桜の下を日本刀を振りかざし疾駆するシーン。小川真由美の鍾乳洞でのファックシーン。そして夜叉と化した犯人が洞窟を追いかけてくるシーンなど、名場面だらけ。

むかしはピンと来なかった渥美清の金田一耕助(岡山の田舎にあまりにも溶け込みすぎ)は、いまあらためて見ると、しみじみと良い。原作者の横溝正史が「イメージ通り」と評した理由がわかる。

渥美清の地に近い(どこか飄々とした、物静かなインテリ風情)役柄なのではなかろうか。

初登場シーン。荒れ果てた墓地にスッといて、しぜんに小川真由美とショーケンの会話に加わる場面。あれ渥美清ならではの味だよね。スマートな石坂浩二だったら、まず「誰ですかあなた?」ってなるもん。
松原慶太

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