えいがうるふ

ピアニストのえいがうるふのレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
4.4
意外にも初ハネケ。噂に違わぬド変態映画で面白かった。
とてつもなく不快で不憫なヒロインをイザベル・ユペールが好演。というか熱演過ぎて本気でおぞましい。

なるべくしてなった変態さんの痛々しい生き様をここまで分かりやすく描いた作品を初めて見た気がする。トリアーやランティモスともある種の近さを感じるが、どうしようもなく歪んでしまった人間をどこか醒めた目で観察してニヤニヤ嗤っているような前者二人の作品と比べて、そのようにしか生きられない人間の悲哀にどこか共感するような視点を感じられ興味深かった。いずれにしても癖つよつよで好みは分かれるだろうが私は好きだ。