しちれゆ

ピアニストのしちれゆのレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
4.1
40過ぎてなお母親に支配され母親を憎みながらも共依存することでしか生きられないエリカ。ピアノを弾くこと以外は何一つ要求されずに生きてきた彼女の歪んだ性的マグマがワルターの出現に拠って一気に噴火してしまった。

後半ワルターはエリカに対し「完全に狂ってる」「穢らわしい、イカれてる」と言い放ちます。当然 二十歳そこそこの彼にエリカを深淵から救うことなど出来る筈はない。

この物語は男女のそれではなく生育の悲劇であり、母親の所有物としてのみ生き 1個の人格として愛されて来なかったことの取り返しのつかない悲劇である。

しかし最後エリカは胸から血を流しながらも扉を開けて外へと歩き出す。母親もエリカにのしかかられ迫られた経験で変わるでありましょう笑
エリカの未来に希望を見たラストでした。
しちれゆ

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