この作品、人物の登場は一切なく、車しか登場しない。
主人公であるマックィーンが、目的地に向かう途中のラジエーター・スプリングスで仲間と出会い、自分自身を見つめなおす事になるロードムービー。
仲間の意見を聞かず、自分勝手で自信過剰だったマックィーンが、人のいろいろな気持ちに触れ、先へ進む事だけではなく時には立ち止まって、目の前の大切さに少しずつ気がついていく展開がとても良かった。
この作品の写真を切り取ったかのような自然の風景や、本当の映画に登場するかのような建物の色使い、メーターの錆びた感じなど、色彩がとても美しいし、ドックの優勝トロフィーがリアルにホコリっぽい感じの表現も素晴らしかった。
ラジエーター・スプリングスは架空の町らしいが、トンネルを抜けて見える滝や、のどかな丘の風景など実際に存在しているかのようだった。
こういう経験をしたから、こういう事ができたラストは感動したし、レースのシーンはさすがの迫力だった。
