コーカサス

続名探偵ホームズ2 ドーバーの白い崖/名探偵ホームズ ドーバー海峡の大空中戦!のコーカサスのレビュー・感想・評価

4.2
1986年に『天空の城ラピュタ』の同時上映として『続・名探偵ホームズ ミセス・ハドソン人質事件 / ドーバー海峡の大空中戦』のタイトルで劇場公演されたテレビシリーズの第10話。
併映だった第4話の「ミセス・ハドソン人質事件」と同様、演出と絵コンテは宮崎駿が担当。
その「ミセス~」で魅せた “可憐なハドソン夫人”とは一転、行動的且つ積極的でエネルギッシュな彼女の魅力が充分に詰め込まれた名作だ。

個人的に本作の大ファンである筆者の一二を争うお気に入りエピソードであり、前回の劇場版では異なったホームズの声が“本来の”広川太一郎へ、さらにダ・カーポの名曲「空からこぼれたStory」と「テームズ河のDance」がテレビシリーズそのままに使用されていることが評価を上げた。

物語全体を通して活躍するホームズの愛車プロトベンツ(ベンツ・ヴィクトリア)をはじめ、ペニー・ファージング(前輪と後輪の直径が大きく異なる自転車)、飛行機、汽車、スポーツカー、さらには拳銃など、オトコの冒険心をくすぐるメカやアイテムも満載!
ハドソン夫人をはじめ、ホームズは勿論モリアーティ教授たちが、陸・空・海(断崖)を舞台に大暴れ、これぞまさに冒険活劇として見事に仕上がっている。

そんな大騒動から一夜明け、無事に再開された航空郵便機を見付けたハドソン夫人を囲むホームズとワトソン。
朝陽を浴びたベーカー街221Bがズームアウトされ「テームズ河のDance」が挿入されるタイミングは絶妙で、まさに神がかり的だ。

久々にシリーズ全26話を観てみようと思わせる劇場版だった。

38 2021