タカシサトウ

ある子供のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

ある子供(2005年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

[子供のようなブリュノ]

 終盤で自分から行くのが、何となく違和感があり、あのまま逃げてしまう方がブリュノ(ジェレミー・レニエ)らしいと思ったが、それは希望がなさ過ぎる。

 しかし、きっと、この繰り返しなんだろうけれど、ブリュノが、あの涙をきっかけに、その後は、長続きする家庭持てるようになって欲しいと思った。

 多分、あっち方が職業訓練もあるかもしれないし、枠の強い中でなら、続けていけるものが身に付くかもしれない。

 自分の子供を…、というあまりにその場しのぎのやり方は、かなり衝撃的。お金がすべてということかなと。このままでは、誰からも信頼されないままで終わってしまう。

 だから、枠の中が彼にはいいと思ったけれど、自分から告白するとは、何かが彼の中で変わったのかもしれない。

 ソニア(デボラ・フランソワ)もそうだろうけれど、ブリョノはお金しか信頼できないような、余程過酷な家庭で育ったんだろうし、先の事を全く考えられないのは、何らかの発達の偏りがあるんだろうと思う。

 ブリョノのジェレミー・レニエもソニアのデボラ・フランソワもなかなか良かった。特に、ジェレミー・レニエが「イゴールの約束」の少年から、大人になり、こんな役者になっていて嬉しいような感じがした(2020.7.19)。