鋼鉄隊長

1941の鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

1941(1979年製作の映画)
2.5
購入したDVDで鑑賞。

【あらすじ】
真珠湾攻撃から6日後の1941年12月13日。次は本土かと人々が怯える西海岸に、大日本帝国海軍伊19潜水艦がひっそりと迫っていた…。

自他共に認めるスピルバーグの駄作映画。コメディ作品でありながら、ギャグのセンスが壊滅的だ。人を馬鹿にしたような騒がしいだけのギャグが約2時間ひたすら続くのは、もはや拷問に近い。
そんな作品の中で唯一輝いているのは「世界のミフネ」こと三船敏郎。スターウォーズの出演を断って悔しい思いをした三船は、台本を読んだジョン・ウェインが激怒するほどのダメ映画を何とか観られる形にしようと最大限の努力をしている。当時の軍関係者から潜水艦の資料を借り、「帝国軍人」としての演技指導を率先して行う。これらの努力により三船が登場するシーンは緊張感のある戦争映画っぽさが生まれている。その甲斐あってか、終盤での観覧車砲撃シーンは、つまらないドタバタ劇を繰り返す観覧車側(アメリカ陣営)と馬鹿真面目に攻撃する日本軍潜水艦が交互に映し出されることで雰囲気のギャップが面白いシーンとなっている。明るく照された遊園地と暗闇に包まれた潜水艦との光の対比関係も、このシーンをさらに盛り上げる素晴らしい要素となっている。
個々の演出を取り上げれば中々良いシーンも多いのだが、しつこくて笑えないギャグのせいで台無しになってしまっている残念な作品。アメリカ陣営にも三船敏郎のような「真面目キャラ」がいたらメリハリのある面白い作品になったのかもしれない。
鋼鉄隊長

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