円柱野郎

笑う警官の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

笑う警官(2009年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

根本的な問題として、時限サスペンスを主題としているのに、逼迫感も緊張感も全然伝わってこないってのがある。
少し話が進むとすぐに立ち止まって会話劇が始まり、その繰り返しで全然ストーリーが走らない。
舞台劇を録画したかのような長回しや台詞回しが、サスペンスというこの映画の題材に合っていなくて完全に演出ミスなんじゃないかとすら思ってしまった。

登場人物は時間に追われているはずなのに。
仲間内に内通者もいるはずなのに。
意外な展開も用意されているはずなのに。
…全く盛り上がらないんだよなあ。

警察組織を描いていても、組織と構成員との軋轢表現が台詞に頼り気味で、命がけで組織に立ち向かっている感もいまいち伝わってこない。
どちらかというとコメディ寄りだった「踊る大捜査線」の方が、よっぽどそのあたりを上手く描けているよね。

裏金問題や組織の隠蔽体質などの告発系の内容や、命を狙われても目的地に行くための展開、そして陰謀の裏に潜む真実など、全体にサスペンスを盛り上げるための要素がこれでもかと詰め込まれているのは確か。
でも全体的に緩慢で、観ていても途中でストーリーの謎や裏なんかはどうでもよくなってくるのはどうしたものか。
サスペンスなのに至極退屈で、実に勿体ない作品でした。
円柱野郎

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