Ginny

ルルドの泉でのGinnyのレビュー・感想・評価

ルルドの泉で(2009年製作の映画)
3.3
カメラワークが大変好みな映画でした。
黒澤明やウェスアンダーソンまでいかずとも、左右対称に景色を捉えたり、静かで美しいシーンが続くので眼福でした。
動きも少なく、物音も煩くなく淡々と進むさまが心地よいです。

描かれているストーリーはそんな静かな映像とは裏腹に、人間のドロドロとした負の感情が漂うように描かれていました。妬み嫉み。

コソコソ話して他人を貶めたり、横目で見て蔑んだり。
私利私欲が内面で渦巻く人が巡礼をしているけれど、そこに聖なるものは感じられず、「奇跡」にも悲哀が伴うものでした。

シルヴィー・テステュー、エリナ・レーヴェンソンが良かったです。
知っている人は『グランドブダペストホテル』に出ていたレア・セドゥだけでしたが、彼女、本作でもあまり良さがわからなかったです。

人間の業というものを、聖地”ルルドの泉”を舞台に静かに丁寧に描いた良作だと感じました。
業って何?

でも私が興味あったのは、『ルルドの泉』じゃなくてベルナデッド(死して尚生きているかのように遺体の状態が良い人)だったんだな、彼女が出るかなと思ったらなかった。
Ginny

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