ひろぽん

名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)のひろぽんのレビュー・感想・評価

3.9
劇場版『名探偵コナン』8作目

舞台女優の牧樹里が舞台で使用する「運命の宝石」を狙い、怪盗キッドから予告状が届く。犯行予告を受けた劇場をコナンたちが訪れ見守る中、公演直前に工藤新一が現れる。コナンはそれがキッドの変装だと証明できず悔しさをにじませていた。キッドは劇場での盗みに失敗したかのように思えたが、コナンたちが搭乗した旅客機の中に再び登場する。それとは別に事件が巻き起こり、コナンたちは無事地上に帰還できるのかという物語。


汐留にある劇場・宇宙(そら)で行われる『ジョゼフィーヌ』の舞台で怪盗キッドが宝石を盗もうとする怪盗キッドVSコナン、飛行機の中での殺人事件、パイロットを失った旅客機を悪天候の中不時着させるという3部構成のお話となっている。

正直、前半の怪盗キッドとの対決や、旅客機での推理はあっさりし過ぎていて物足りなさを感じる部分が多い。推理に関しては、アニメ版のコナンと同じレベルなので難解さは全くない。

しかし、終盤の旅客機を不時着させるシーンは緊迫感があり、観ているこちら側が手に汗を握るくらい緊張感を持って楽しめる。燃料が急激に減り、エンジンの1つを失い、空港に着陸出来ないという絶望感は凄い。

怪盗キッドのハンググライダーに対して、コナンがパラグライダーで追いかけるのはさすがにスピードに差がありすぎて無理があると思う。

操縦士の席にキッドが座り、副操縦士の席にコナンが座り旅客機を操縦するのだから面白い。手を怪我したキッドに変わり、蘭&園子コンビが着陸させようと操縦しているシーンは笑いが止まらなかった。

子どもたちにあっさり命を任せる大人たち。ハワイで親父にセスナの操縦を教わって実践しようとするコナン。高校生と小学生が操縦している光景。子どもたちの口から飛び交う専門用語。小学1年生とは思えないコナンと灰原の地図読解力や計算力。コナンの圧倒的な知識力。

本来シリアスなシーンのはずなのに何回観ても面白すぎて笑ってしまう。

ピンチになり逃げ出す薄情な男かと思えば、好敵手を救うために体を張って一役買うキッドの行動には男のカッコ良さが詰まっている。キッドの人気の秘訣はこういうところにあるんだと思う。

終盤のフライトパニックアクションは結構好き。

莫大な損害を出した殺人犯の罪は重いだろうな。

工藤新一に化けるキザな怪盗キッドのキャラが好き。どうしてもスリーサイズの気になる年頃なのね。蘭の前じゃ人格変わるコナンが面白い。
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