ほーりー

いまを生きるのほーりーのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
3.6
何かに縛られず、自分らしく生きるって難しいことやね。

役柄と実際は違うとはわかっているものの、こういう映画でこういう役を演じた名優でさえも自ら死を選ぶものなのかと、観ていて複雑な気持ちになった。

そんなロビン・ウィリアムズの代表作の一つである「いまを生きる」は、校則の厳しい進学校に着任した英語教師キーティングとその教え子たちの感動ストーリー。

実質、ウィリアムズよりも生徒たちの方が主役なのかな。

その生徒の中には若き頃のイーサン・ホークもいる。ちなみに本作で共演したロバート・ショーン・レナードとは意気投合したらしく、のちに劇団を結成したという。

親や先生たちの顔色ばかり窺い、委縮している若者たちに対して、キーティングは生きることの素晴らしさ、束縛されていることのくだらなさを説く。生徒たちも次第に感化され、それぞれ自分たちの本当にやりたいことに気付きだす。

キーティングの教えは確かに正しいのだが、同時にそれは荒療治でもあり、結局はこれがある事件のきっかけになる。

映画はキーティングの教えが良い方向と悪い方向にそれぞれ進んだことを描く。

結構これは難しいことで、学生のうちに自分らしく生きることを教えることも大事なのだが、親や教師と対等に渡り合う事がまだできない若い時期になまじ教えていいものかという気がした。

学校物によくある展開で、熱血先生と対立するお馴染みのキャラクターが本作にも登場する。キーティングに対立する校長先生(日本の学校物だと大抵は教頭がそういう役なのだが)を演じているのがノーマン・ロイド。

いかにも規則に厳格で冷たそうな感じの老人なのだが、「逃走迷路」で自由の女神から転落したあの犯人を演じたその人である。
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