すぽんてぃにあす

手紙のすぽんてぃにあすのレビュー・感想・評価

手紙(2006年製作の映画)
4.3
東野圭吾の小説を原作とした映画。
犯罪加害者の親族の視点で描かれる人間ドラマ。

山田孝之主演、こういった重苦しいテーマでも映えるから本当に凄い俳優だと思う。
兄役の玉山鉄二のお兄ちゃんぶりも見事。
本当の兄弟のように、目には見えない繋がりが痛いほどに伝わりました。

現実問題として、同じ境遇の人のことをふと考えてしまった作品。
罪の重さこそ違えど、犯罪を犯してしまえば後ろ指を指されてしまうのは当たり前だと思う。
そしてそれは家族にまで飛び火してしまう。
「親の顔が見てみたい」という言葉があるように、どんな育て方をしたのかと両親が話の種になってしまうのは残念だけど理解はできる。
子供の評価は親の評価なんだと。不本意だけど。

映画の内容では両親がいないかわりに、加害者の兄弟がその被害に遭ってしまう。
兄弟は違うんじゃないかなと思うんです。
しかしこれも現実的にリアルな反応なんですよね、憤りを覚えずにはいられなかった。
テーマの重さに見ていられない描写も、打って変わって友情や愛に救われている描写も、山田孝之の好演ぶりに視界を涙で濡らし続けてしまいました。

クライマックスはまさにピークでしたね。
苦手なテーマなのに、ここまで集中してしまうなんて思わなかった。